テストの点数ダウンに焦らない!子どものやる気を引き出す魔法の言葉
2026/09/14
学校から帰ってきたお子様が、ランドセルからくしゃっと折りたたまれたテスト用紙を取り出す。
その点数を見て、思わずハッとした経験はありませんか。
小学校低学年の頃は、当たり前のように100点のテストを持ち帰ってきていたのに、学年が上がるにつれて少しずつ点数が下がってくる。
「授業についていけていないのでは?」
「どこでつまずいているの?」
と、お母様の心には焦りと不安が広がってしまうことでしょう。
間違えた問題を見直してほしい一心で、「なんでこんな間違いしたの?」「ちゃんと見直しなさい!」と声をかけてしまい、お子様がすねてしまったり、無言になってしまったり……。
そんな空気に「また言い過ぎてしまった」と自己嫌悪を感じてしまう夜もあるかもしれません。
しかし、どうかご自身を責めないでください。
お母様が焦ってしまうのは、日々お子様の将来を深く案じ、大切に思えばこそです。
実は、学年が上がるにつれて100点が取れなくなるのは、決して特別なことではありません。
学習内容が複雑になり、お子様が新しい成長の階段を登っている証拠でもあるのです。
本コラムでは、教育心理学や公的機関のデータをもとに、テストの点数が下がってきた時のお子様の心理と、自己肯定感を守りながら「見直し」を前向きな習慣に変えるための声かけ術をご紹介します。
目次
学年が上がると100点が取れなくなる「成長の壁」
まずお伝えしたいのは、小学校中学年以降にテストの点数が下がるのは、多くのお子様が直面する「成長の壁」だということです。
教育業界ではよく「小4の壁(または10歳の壁)」と呼ばれます。
低学年までの学習は「足し算・引き算」「漢字の書き取り」など、見たり触れたりできる具体的な内容が中心でした。
しかし、学年が上がると「割合」「分数の掛け算・割り算」など、目に見えない抽象的な概念を頭の中で処理する必要が出てきます。
国語の文章題も、「主人公はどう行動したか」という事実の読み取りから、「この時、主人公はどんな気持ちだったか」という心情の推し量りや論理的な思考へとシフトしていきます。
学習内容がこれほど高度になれば、当然ミスも増えます。
ここで大切なのは、「点数が下がった=能力が足りない、勉強をサボっている」と結びつけないことです。
お子様は今、脳の発達とともに、より難しく複雑な課題に一生懸命挑んでいる最中なのだと、おおらかに捉えてあげてください。
<「点数」だけを褒めたり責めたりすることの危険性>
テストが返ってきた時、真っ先に「何点だった?」と聞いていませんか。
お母様としては純粋な関心から出た言葉であっても、結果だけを評価し続けることには少し注意が必要です。
スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック氏の研究によると、人間の思考の傾向は大きく2つに分かれます。
一つは「能力は生まれつきで変わらない」と考える思考、もう一つは「能力は努力次第で伸ばせる」と考える思考です。
普段から「100点とれてすごいね!」「頭がいいね!」と結果や才能ばかりを褒められて育った子どもは、「次に失敗したら頭が悪いと思われる」と恐れ、難しい問題に挑戦しなくなる傾向があることが分かっています。
逆に言えば、点数が悪かった時に「なんでこんな点数なの?」と結果を責められると、子どもは「自分はダメなんだ」と自己肯定感を下げ、ますます勉強から遠ざかってしまうのです。
子どもが「見直し」を嫌がる本当の理由
お母様としては、間違えた問題こそしっかり見直して、次に活かしてほしいと願うものです。
しかし、お子様に「見直しなさい」と言っても、なかなか取り組もうとしません。
それはなぜでしょうか。
実は、子どもにとって間違えた問題と真正面から向き合うことは、「自分が失敗した事実」を突きつけられる非常に苦痛な作業だからです。
まだ心の成熟が追いついていない思春期入り口の時期は、自己防衛本能が強く働き、「見たくない」「考えたくない」と無意識に避けてしまいます。脳
の扁桃体という感情を司る部分が過敏に反応し、不安やイライラを増幅させてしまうのです。
だからこそ、見直しをさせるためには、まず「間違えても大丈夫」「失敗は悪いことではない」という安心感、つまり「心理的安全性」をご家庭でしっかりと築いてあげることが欠かせません。
お子様の心がリラックスして初めて、理性を司る脳の前頭前野が働き、論理的な見直しができるようになります。
文部科学省のデータが示す
「自己肯定感」と「学力」の深い関係
「自分にはよいところがある」と思える気持ち=自己肯定感が、学力に大きく影響することをご存知でしょうか。
文部科学省が毎年実施している「全国学力・学習状況調査」のデータ分析結果を見ると、自己肯定感が高い児童生徒ほど、国語や算数などの各教科の平均正答率が高い傾向がはっきりと示されています。
つまり、無理やり机に向かわせて一時的に見直しをさせるよりも、日々の生活の中で自己肯定感を育む関わりを続けることの方が、長期的な学力向上にとってはるかに重要なのです。
ご家庭で「自分はそのまま受け入れられている」「失敗しても自分の価値は変わらない」と思えることが、学習意欲の盤石な土台となります。
将来の大きな目標に向かう際にも、この「折れない心」が何よりの武器になります。
自己肯定感を下げない!
「見直し」が好きになる声かけ3ステップ
ステップ1:まずは「頑張った事実」をそのまま受け止める
テストを持ち帰ってきたら、点数や間違えた箇所を見る前に「テスト週間、毎日机に向かって頑張っていたね」「最後まで諦めずに空欄を埋めてきたね」と、結果に至るまでのプロセス(努力や行動)を認めてあげてください。
お母様が自分の頑張りを見てくれていたと感じるだけで、お子様の張り詰めていた心はふっと軽くなります。
ステップ2:「できなかった問題」ではなく「できた問題」に注目する
私たちはつい「×(バツ)」のついた問題に真っ先に目が行きがちですが、まずは「〇(マル)」のついた問題を探しましょう。
「この漢字、丁寧に書けているね」「計算問題、前より速く正確に解けるようになったね」と、できている部分を具体的に伝えます。
「自分にもできることがある」という自信を持たせることが、次のステップへ進むためのエネルギーになります。
ステップ3:間違いを「宝物」に変える言葉をかける
お子様の心が落ち着き、前向きな状態になったところで、いよいよ見直しに入ります。
この時、「なんで間違えたの?」と責めるのではなく、「間違えた問題は、これからもっと賢くなるための宝物だよ」「ここが分かれば、次はもっと良くなるね、のびしろだね」と声をかけてみてください。
間違いを「ダメなもの」から「成長のチャンス」へと意味づけを変えてあげるのです。
「一緒に宝探しをしようか」と隣に座ってあげることで、お子様は安心感に包まれながら、自分のつまずきと素直に向き合うことができるようになります。
終わりに
テストの点数が下がり始める時期は、お子様が新しい知識の扉を開き、一回り大きく成長しようとしている過渡期です。
点数が下がった時こそ、お母様の温かい眼差しと声かけが、何よりの特効薬になります。
「見直しなさい」と正論を伝える前に、まずは頑張った過程を認め、できた部分を褒め、間違いを成長の糧として捉える。
この小さな声かけの工夫が、お子様の自己肯定感という、生涯にわたって折れない強い根を育てていきます。
毎日家事やお仕事で忙しいお母様が、常に完璧な声かけをする必要はありません。
時には感情的になってしまう日があっても大丈夫です。どうかご自身を責めずに、「いつも見守っているよ」という気持ちを伝えてあげてください。
ご家庭が安心できる居場所であれば、お子様は必ず自分から前を向き、力強く歩み始めます。
お母様の深い愛情は、言葉の形を少し変えるだけで、もっと優しく確実にお子様の心に届くはずです。
ご家庭での温かいサポートと並行して、具体的な学習面の課題解決や「見直し」の習慣づけについては、ぜひ私たちにお任せください。
私たちの1対1、または1対2のオンライン個別指導では、画面越しであっても生徒一人ひとりの表情のわずかな変化や声のトーンをしっかりと汲み取り、どこでつまずいているのかを丁寧に紐解きます。
つまずきの原因は一人ひとり異なります。
プロの視点でそれを見極め、お子様に合ったペースで「できた!」「わかった!」という小さな成功体験を積み重ねていくことで、学習への自信を確かなものにしていきます。
私たち講師がしっかりと伴走し、お子様が自らの力で問題を解き明かす喜びを知るお手伝いをいたします。
お子様の学習状況やテストの見直しについて少しでもご不安なことがございましたら、まずは無料学習相談へお気軽にお申し込みください。

