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教えて塾長!家庭学習の効果的な方法とは?(後編)

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教えて塾長!家庭学習の効果的な方法とは?(後編)

教えて塾長!家庭学習の効果的な方法とは?(後編)

2023/08/16

楠教育スタッフ由実子さんが子育て真っただ中のママとして普段思っている塾の不思議や子育ての悩みを塾長にぶつけるコラム「教えて塾長!」

目次

    選択肢が多すぎて選べない!!

    由実子
    前回のお話の続きなんですけど、家庭学習で大切なのは①家で進めるんなら確認が大事!②塾にお願いするんなら授業とのつながりを確認までサポートしてもらう!ということでしたよね?

    野村
    そうですね。

    由実子

    で…塾長…前回最後に勉強のやり方のコツも教えてもらえるって…

    野村
    そうでしたそうでした。

    由実子

    忘れてましたね…

    野村

    ワスレテナイデス…💦💦

    由実子

    ではお願いします!

    野村

    OKです!では今日も参りましょう。

    ぶっちゃけうちの子供に合ったやり方って何?っていうところって結構難しいんです。
    よく保護者さんにも塾さんにもご相談いただきますけど結構お悩みが深いですね。

    由実子
    塾の方でもむずかしいんですか!?

    野村
    今って、いろんな選択肢がありすぎるんですよね。昔からあるもので言えば、書店の問題集はもちろん、赤ペン先生的な添削してもらえる教材とか、〇〇式みたいなプリントベースで進める教材、地元の塾の教材…そうかと思えば、今はICTの時代なんで学校のタブレット持って帰ってきたりしてますよね。それで勉強するアプリもあれば、youtube見てお勉強したりとかっていうのもあったりしますよね。

    由実子
    そうなんですよね。うちはやっぱり手元で選ぼうかなって思って本屋さん行きましたけど、本屋さんでも夏休み問題集だらけで悩みました。

    野村
    そうそう。選ぶのも大変。モノがいっぱいありすぎて、選びづらいですよね。というところで、よく「お子さんの好みに合わせて選べばいいですよ!」とか言われますけど、それも一理あって、勉強嫌いだったり、まだ初学者だったりする場合は勉強に興味を持らうことが大事になるタイミングなんで、そういう意味では好みは大事なんです。

    由実子
    なるほど…一理あるってことは他の考え方もあるんですか?

    野村
    そう。今日の話は、お子さんの好みは置いといて、どんな視点で勉強の仕方を一人ひとりに合わせていくのかって話です。今日はこんなお話でいいですか?

    由実子

    すっごい興味あります!楽しみです!

    勉強の3つの段階

    野村

    突然ですが、勉強って何ですか?

    由実子

    え?突然すぎる笑…何かを覚えたり…わからなかったことを理解したり…解けなかった問題を解けるようになるために頑張ること…って感じですか?

    野村

    いいですね。学力を向上させるためには3つの段階があると私はいつも言っています。一つ目が「わかる」の段階、次に「解ける」の段階、最後に「ミスらない」の段階。「わかる」っていうのはわからないものが理解できた!っていう段階です。「解ける」はその名の通り理解した内容で問題が解けるってことですね。最後に「ミスらない」は100回やって100回ミスがない状態になったという段階で、これで完成ということをいつもお伝えしてます。

    由実子

    なるほど…(家庭学習どこにいったんだろう…)

    野村

    それぞれの段階に合わせて効率の良い勉強のやり方があるんですが…どうですか?「わかる」段階をクリアするためには由実子さんならどんな方法を選びます?

    由実子

    わからないものがわかるようになるために…ですよね。効率的っていう意味では塾みたいなプロの方にわかりやすく理解させてもらうのが良さそうですかね…

    野村

    そういう考え方もありますね。その他としては探求型学習を重視するなら家庭学習でここを進めるという手もあります。ただ探求型学習をしていくなら横で伴走してくれるメンターがいなければ効率は落ちます。何にせよ「わかる」段階では人の手が効率化のためには重要になるかなと私は思っています。

    由実子

    なるほど。

    野村

    では「解ける」段階ではどうでしょう?

    由実子

    理解はしているけど問題が解けないっていうところから…解けるようになるまでってことですよね…これは理解しているんだから問題集をやればいいのかな…前回のお話だとこれに本当にできるようになったかの確認を定期的に入れて…

    野村

    素晴らしいですね。家庭学習で進めるならそれでいいと思います。解説の厚めの問題集を用意して今言ってもらったやり方をしていくとできると思います!あとは本人の性格が出るので学習習慣的に塾で授業と宿題を繰り返してもらった方がいいのか、自分でコツコツやった方がいいのかっていうところを考えてもらえたらいいですね!

    由実子

    「わかる」と「解ける」って別々に考えた方がいいんですね…

    野村

    そう!「わかったら解けるでしょ!」っていうのは嘘です。「わかっていても解けない」タイミングはあります。では最後「ミスらない」段階。

    由実子

    解けている段階の後なので…く…繰り返しですか?

    野村

    大正解!素晴らしいですね。では、そもそもミスって何でしょう?

    由実子

    解けるはずのものが解けないこと?

    野村

    じゃあ、10回同じような問題をやって5回間違えるものはミスですか?

    由実子

    半分間違えるってことはわかってないんじゃないですかね…

    野村

    5回出来ているので私の理論では「わかる」段階はクリアしてます。ただ「解ける」段階が完ぺきじゃないって感じですね。では10回やって3回間違えは?

    由実子

    3割ミスですよね…それも解けてないですよね…

    野村

    そう。それも「解ける」段階の仕上げが甘い。解けるってことは10回やって10回できることが解けるです。ではミスは?

    由実子

    10回やって10回できるものを間違えることがミスってことですか??

    野村

    そう!それがミスです。例えば九九です。由実子さん、九九苦手な段とかありますか?

    由実子

    だ…大丈夫です!全部間違えないと思います。

    野村

    100回やって何回間違えます?

    由実子

    間違えないと思います…

    野村

    そう。小学生高学年以上になってくるとほとんどの生徒がそうです。でも計算が複雑になった時に九九間違えて×になったりすることがあります。これこそが「ミス」です。絶対に解けるものが何かのタイミングで間違える。いつも絶対に間違えない英単語のスペルを書き間違えたり、漢字の送り仮名を間違えることもそうですね。

    由実子

    なるほど。

    野村

    ではこのミスを減らす勉強方法は何をしたらいいと思いますか?

    由実子

    繰り返すしかないんじゃないですかね…

    野村

    大正解!ここは反復しかないんです。だって10回やって10回間違えない「解ける」段階に達しているのにミスるんですから、これを減らすためにはとにかく反復しかないんです。…ただ、何を反復したらいいかが大事になるんですが…それはまたどこかの機会で。

    由実子

    引っ張るなあ…

    野村

    笑。さて、ちなみにこれって誰かに横にいてもらうと効率上がります?もしくは指導してもらった方がいい?

    由実子

    これは一人でいいと思います。だって解けるんですもんね?

    野村

    はい。解けます。私も一人でいいと思います。ここまで勉強の段階について話をしてきましたが、家庭学習の話に戻しましょう。人に教わらない家庭学習が効果的な勉強の段階は…さてどれでしょうか?

    由実子

    あ、そういうことですね!つながりました!「解ける」段階と「ミスらない」段階のための勉強が家庭学習に向いていると思います!

    野村

    そういうことです。何でもかんでも問題集を買ってくるのではなくて適切に現状を把握して段階ごとに学習の仕方を選ぶ。まずこれが大事になるわけです。

    由実子

    何でもかんでも…買ってきてましたすいません…

    野村

    あ…すいません💦そういう意味では💦💦

    …………さあ!気を取り直して最後に一人ひとりに合わせた学習方法を考えていきますよ!

    目と耳と経験と

    野村

    さてさて!段階によって勉強方法を考えることが大事ということはお伝えした通りです。最後にお子さんごとにあったやり方という一番最初に聞かれたお話です!

    由実子

    もうここまででかなり家庭学習の今のやり方変えないといけないのにまだあるんですね…

    野村

    う…トゲがありますね…💦

    由実子

    そんなことないですよーニヤニヤ笑

    野村

    さて、先ほどお話した通り「解ける」と「ミスらない」の段階の勉強をするのが特に家庭学習においては向いています。となると、暗記と反復がメインになってくると思うんですよね。単語覚えたり、漢字を覚えたり、計算問題をやったり、問題集を解いたりとかっていうことが中心。

    由実子
    そのイメージはあります。

    野村

    で、その時に1つ鍵になること。これがお子さんの頭に何か情報インプットする時の特性なんです。実はインプットの効率に特徴…個人差があります。

    由実子
    ふむふむ…

    野村
    残念ながらただやらせるだけでは効率化はできません。人が何か情報を得る、情報を獲得するには大きく分けて3つの特性があると言われていて、視覚・聴覚・経験の3つによる記憶です。簡単に言えば「目で見て覚えるのが得意」「耳で聞いて覚えるのが得意」「とにかくたくさんやって覚えていくのが得意」こんな感じですね。

    由実子
    なるほど、それぞれの得意があって、それが違うってことですね!

    野村

    そうそう。個人差っていうのは得意な分野の違いってことです!まず目と耳の話をすると、英単語で説明するとわかりやすいかなと思うんですけど、目で見てっていうのは、ひたすら見て覚えるパターン。よく英単語カードを作って、表に英単語、裏に日本語を書いて、パラパラ見て覚えるっていうのは、目が強いパターの子には有効ですが目で覚えるのが得意じゃない子にはあまり効果が無いんですよね。今でもバスとか電車の中で見ますけど、ぶっちゃけあれで覚えられない子も山ほどいるじゃないですか。

    由実子
    はい!私、覚えられません…

    野村
    大丈夫!私も覚えられません!やってましたけど!笑

    由実子
    なるほどー目で覚えるのが得意か得意じゃないって考えたらいいんですね。

    野村

    そうそう。では次に耳のパターン。耳のパターンっていうのは、例えばそうですね…英語で言うとフォニックスっていうものがあるんですけど…一般的に浸透していないかもしれないですね。アルファベットの発音ルールお覚えてから英単語を覚えるって話なんですけど…これが思いっきり耳なんですよね。あとは、シャドーイングとか、最近よく言われているやつもそうですね。
    ちょっと新しめの話ばかりになってきたんで昔からある例で言えば…orangeっていう単語をオランゲってローマ字読みで覚えたりするやつ。あれも耳です。頭の中にあるのはカタカナのオランゲっていう音なんですね。 それをローマ字でオレンジに直して書いたら…orangeの出来上がり!オランゲって書いてるのに「オランゲ!」って言ったこともカタカナで書いたことも無いでしょ?

    由実子
    ないです…でも、確かに書きながら自然と頭の中でオランゲって呟いているかも!

    野村
    で、最後は経験で覚えるやつ。もうこれはシンプル。ただ書く。ひたすら書く。これで覚えるのが得意音でも目でもなくとにかく右から左に写して、見ずに書けるまでとにかく書く。これです。

    由実子

    これもやったことあります…手の横が真っ黒になるやつですよね笑

    野村

    そうそう。

    この3つでどれに強いかは個人差があるので、お子さんがどのタイプかを確認してみるといいと思います。同じ暗記モノをこの3パターンやらせてみて、1番早く覚えられる方法、本人が苦労しない方法、これが本人の得意になります。

    由実子

    帰ったらやってみます!

    野村

    ぜひぜひ。で、それに合わせて「どう家庭学習をするのか」を考えるってわけですね。

    由実子
    なるほどー!今日も勉強になりました!ありがとうござ…

    野村

    まだあるよ…

    由実子

    え?

    野村

    もうちょっとあるんですよ。全部が全部この3つの得意に合わせてやってもうまくいかないんです。

    由実子

    えー💦

    野村

    やる内容ごとに、覚えやすさが違うんです。

    由実子
    覚えたい内容で効率的な手法も変わるってことですか?

    野村
    そう。最後にこれも大事なんです。例えば英単語暗記みたいなものは目でも耳でも経験でもどれでもいけるものです。案外アクセントや発音も発音記号やルール丸暗記で発音は思いっきりカタカナ英語だけど「解ける」ってことはできるので、これも目でも耳でも経験でもいけます。これらは本人に合わせてやってくださいっていう感じなんですけど……漢字とかなると、目で見て漢字覚えるのはかなり効率が落ちます。耳で覚えるなんてさらに効率が落ちます。漢検だけでもう千数百っていう漢字がそれぞれ違う計上していて音読み訓読み…これを目で見ただけで覚えることはかなりきついです。なので、昔から漢字をひたすら書く暗記方法なんです。

    由実子
    宿題でも漢字ドリルをノートに写して書いて練習していますよね。

    野村
    本人の得意を超えてそれしかないって感じなんですよね。もう経験値で覚えるしかないから、それが1番効率的だって話。じゃあ計算はどうだとか、理科社会はどうだとか…今からやろうとしている勉強が、これまでの歴史上、どういったやり方が効率がいいやり方として編み出されているのかを一度考えてみましょう。それぞれのやり方を目と耳と経験、この3パターンに分類。

    由実子

    なるほど。それは簡単ですね。親世代でもやってきた覚え方、習ったやり方がなんだったのかを思い出して3つのどれなのかを考えるだけですもんね。

    野村

    そうそう。で、その覚えるジャンルごとの効率の良い方法と本人の得意とを組み合わせてやり方を考える。
    例えば√2=1.41421356…とか、ぶっちゃけ1.414でいいわけですよ。ヒトヨヒトヨニヒトミゴロは音、1.414は目、どっちでもOKっていうネタです。お子さんが目が得意なら「ヒトヨヒトヨニヒトミゴロが覚えなくていいよ。問題が解ければいいんだから1.414で覚えてしまったらいい」と言ってあげると効率が上がりますし、耳が得意なら「ヒトヨヒトヨニヒトミゴロだ!」って言ってあげたらいい。本人も自分の得意を理解して勉強すると効率化できます。そんな感じです。ちょっと調整してあげると、お子さんごとにあった家庭学習っていうのが、ちょっとずつカスタマイズできていくわけですね。
    由実子
    なるほど。今までそこまで掘り下げて考えたことがありませんでした。

    野村
    まあ、考えたことない方がほとんどだと思います。
    これはすごい小さい子から判断できるものでもあります。例えば、テレビアニメの歌を、すっごい覚えてきたりとすると思うんですよ。ひらがな読めない、カタカナ読めないから歌詞は絶対読めないのに歌ったりする。あれが音ての文字暗記なんですよね。耳が得意。一方目が強い例で言えば〇ンパンマンですよ。なんか一回出てきたキャラを見て塗り絵とかグッズに載っているそのキャラを見て「〇〇マーン!」って言ったりするのは目で見たことを覚えるのが得意ってことですよね。アニメのエピソードで覚えた場合は目も耳も得意とも言えますが…例えばそういうところで本人の得意分野っていうのはなんとなく見えてくると思うんで、本人が一番気持ちが良い脳みその働き方をさせてあげるっていうのを、普段の生活からちょっと気にしてあげるといいかもしれませんね。

    由実子
    わかりました!それならできそうです!

    野村
    そうですね、本当に保育園とか幼稚園の時代から、この子はこういうのが得意なんだなーって見ておくってだけで大丈夫です。これは得意を探すだけなので別に得意じゃないから悪いってことでもないので!ポジティブに見てあげてください。これがね、中高生の話となると「ごちゃごちゃ言うな!なんで勉強しないんだー!」ってなっちゃうかもしれないのでできればその前段階で…

    由実子
    笑 そうですね。親としての判断材料として幼少期からそういう風な視点で見てあげるタイミングを持つってことも大事だな!って感じました!ありがとうございました!

    対談者

    塾長

    野村良明

    楠教育株式会社代表

    ひろしまスタディ塾長/野村国語塾塾長

    超精読国語講師:『超精読国語

    由実子さん

    聞く人

    楠教育サポートスタッフ

    インタビューワー

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