教えて塾長!家庭学習の効果的な方法とは?(前編)
2023/08/10
楠教育スタッフ由実子さんが子育て真っただ中のママとして普段思っている塾の不思議や子育ての悩みを塾長にぶつけるコラム「教えて塾長!」
目次
家庭学習の目的ってなんだっけ?
由実子
前回のお話の中で、ちょっと気になったんですが…
野村
はいはい。なんでしょう?
由実子
「家庭学習」って一言で言っても子どもによって適するやり方がそれぞれあると思うんです。
少しでもその子に適した家庭学習方法が見つけられるといいなあと思うんですけど何かそういうのってあったりします?
野村
なるほど。ご質問ありがとうございます。家庭学習にお悩みということですね。
ちなみに、具体的には何か困ったことがありました?
由実子
たまに感じることがあるんですけど、そもそも宿題をするだけで家庭学習って成立しているのかなって思っていて…
テストの裏面とか見ると、発展問題とかあると思うんですけど、家庭学習だけ、宿題だけで、その発展問題を解くところまで補てんできているのかどうかなっていうところがすごい疑問なんですよね…
野村
OKです。今の言葉にはすごくヒントがあって、テストと宿題、家庭学習は、リンクしていますよね。っていうお話をしてくれたんですね。これ、その通りです。家庭学習を単独で考えるのか、それとも何かの一連の行動の中の一つと考えるか、もちろん両方パターンありますけど、それぞれ考え方が変わってきます。例えば、学校や塾の授業と宿題っていう関係性って、後者のように一連の指導の中の宿題として存在していることが多いですね。なので、指導ありきで効果性も変わってきます。一方単独の家庭学習、例えば問題集を自分でコツコツ進めるような内容だったら単独で存在しているのでその中で完結しますよね。
由実子
単独で完結する問題集の自習みたいなものと、学校の内容とつながっている内容で考え方が違うってことですね。
野村
そうですそうです。まずこの違いを考える前に家庭学習に何の結果を求めるのかを設定しなければいけません。
よくご相談いただく時に「何時間も勉強してるんですけど」とか「テキスト何冊終わらせたのに全然なんです」みたいな話をいただくんですが、時間とか内容、テキスト何冊を終わらせたとかそういうのは結果ですけど、求める結果ではないですよね。過程です。結果として欲しいものって、そういう過程じゃなくて学力が上がっているとか、さっき言ってもらったテストの裏側の発展問題が解けるとか、そういう結果ですよね。
由実子
そうなんです。発展問題って基本的なことが分かっていないと解けない訳ですし…だから何をやったらいいのか。
野村
うんうん。ですよねですよね。大事なのはその目的に到達できる家庭学習かどうかということなんです。効果を発揮できない家庭学習の場合のほとんどが結果につながる過程になっていないってところなんですよ。
由実子
え?だって勉強してますよ。
野村
努力しても目的がブレてたら効果が無いってことですね。いつの間にやら量をやらせること、席についておくことが目的になっちゃうとそりゃ…
由実子
心当たりがゼロじゃないのが悲しいです…
独自に進める家庭学習のコツ
野村
笑。話を戻しますね。
まずは単独で成立する家庭学習。つまり完全なご家庭オリジナルの自習ですね。
由実子
夏休み本屋さんで算数の問題集買いました!
野村
それですそれです!では問題集を買った由実子さんに質問です。その問題集が終わった後に欲しい成果ってなんですか?
由実子
成果…苦手ができるようになってほしい…あとは…学年の復習をしてわからないところがないかチェックしたい!
野村
いいですね!ではさらに聞きますね。終わった後苦手ができるようになったか、学年の復習をしてわからないところがなかったか、はどうやって成果の確認をしますか?
由実子
確認…ですか?うーん…問題集終わったらそれでOKかなぁ…って…あっ。
野村
そうですそうです。過程が目的に…
由実子
なってます…
野村
へこまないでも大丈夫ですよ!みんなそうですから。ここにポイントがあるんです。成果を得られたかどうかの確認が漏れている。だから家庭学習に効果があったかどうかがわからず、後になってやってきたことが正しかったのかどうかわからない。まずそもそもやり終わった段階で、ちゃんと理解できているのか。次にしばらく経って忘れてないか。確認しないとわかりませんよね。
由実子
ううう…
野村
そもそも出来るようになっていなかったのか、忘れちゃったのかわからないけど、「あれ?夏休みにあんなにやったのに!?」という気づいた時の気持ちは同じなんですよね。
由実子
なるほど…そもそも出来るようになってなかった子は成果確認が出来てないことにも気づかない。出来るようになったけど忘れちゃった子も、確認してないからそもそもどのくらい出来ていて、どのくらい忘れたかもわからない…ってわからないことだらけじゃないですか。
野村
そうですね。わからないことだらけですね。だから単独で成立する家庭学習の成果を上げるコツは…
由実子
確認!
野村
そういうことです。その機能を足してあげることが重要になります!
学校や塾の授業とリンクした家庭学習(宿題など)
野村
次に別のコンテンツ、例えば学校の授業や塾の授業とリンクしている家庭学習のお話ですね。
由実子
こっちは学校や塾の指定通りやっていればいいんですかね…
野村
基本的にはそうですが、学校の宿題も学校や地域、先生によってかなり違いがあるのはご存じかと思います。塾も同様で、宿題を重視する塾、重視しない塾…塾によって主義は色々です。最初に言ってくれた発展問題が解けるようになってないんじゃないか…というのはまずそれぞれの環境の違いを把握できているかということがカギになります。
由実子
うーん…つまり学校とか塾のスタンスを正しく把握しないといけないってことですか???
野村
そういうことですね。塾は民間なので、指導もそうですが宿題についてのスタンスなども含めてお選びいただくことが大事、ということになります。一方で学校は…まあ選べない場合は多いですよね。特に担任の先生が変わったら…とかはよくある話で…
由実子
去年までの先生は厳しく宿題を出してくれていたのに、今年の先生は…とかよく聞きますよね。
野村
そう。でもそこは言えない話なので、そこに対してご家庭がどう対応するのかというところが大事になるということですね。まずは正確に状況を把握すること、そしてご家庭として目指したい目的に対して足りないものは何なのかを確認する。そしてそれを足してあげる。ということですね。
由実子
プラスアルファの部分で何が足りないのかをちゃんと考える…ですね…考えたことなかったです…
野村
で、そのあとはさっきお話した独自の家庭学習パターンですね。
由実子
成果確認が大事!
野村
そうです!とはいえ忙しい現代社会の大人の皆さんにはなかなか考えるのも難しい。というところで塾の活用ということも大事ですね。
由実子
塾の活用…学力を上げてもらうところとしか考えてなかったです…
野村
塾は授業が基本ですが、今の塾はサポートがどこまでできるかも大事な要素。目指したい目標に対して適切な家庭学習をプロデュースをしてくれるところはたくさんあると思います。塾の授業では〇〇をやっているから、家庭学習では〇〇をやってほしい、その結果こうなります…これが宿題になります。みたいな。
由実子
それが普通なんですか?
野村
してもらえるところもあれば、してもらえないところもありますので家庭学習が気になるならそういうところを探してもらえたらよろしいかと思います。ただ、絶対に考えなければならないのは効果的な家庭学習無しで学力は上がらないということです。授業を受けているだけで暗記が終わる、授業を受けているだけで問題演習が全てのパターン解けるようになる。中にはそんな子もいるでしょうけどほとんどの子はそんなことはありません。
由実子
確かに…
野村
だからこそ塾はそれがしっかりサービスになっている場合があります。そういったものをうまく利用してもらいたいですね!
由実子
なるほど。
お話は後編へ続く…
野村
最初に言ってくれた テストの裏の発展問題を家庭学習で何とかする方法…解消できそうですか?
由実子
問題集を買ったりして家でやるなら確認に注意ですよね。塾とかに頼るなら家庭学習と授業がどうリンクしているのかを聞いて、それが発展問題につながりそうかってことを気にするのと…わかんなくなったら塾がどんなことをやってくれるのかってところで合う塾を探す!って感じですかね?
野村
ばっちりですね!あとはどんな風に勉強をするのかって話もしたいんですけど…長くなるんで後編に続くってことで…笑
由実子
楽しみにしてます!