教えて塾長!勉強時間のバランスってどう取るの?(前編)
2023/08/18
楠教育スタッフ由実子さんが子育て真っただ中のママとして普段思っている塾の不思議や子育ての悩みを塾長にぶつけるコラム「教えて塾長!」
目次
バランスよく勉強したい!…ってこのバランスって何?
由実子
はい!それでは今日も気になることを聞いていきたいと思います!
野村
よろしくお願いしまーす。元気ですね笑
由実子
はい!今日のネタは私個人の勉強にも気になるところなんでテンション高く参ります!早速ですが…好きな科目と苦手な科目って、どんなバランスで家で勉強すると良いですか!?
野村
なるほど。バランスですね。…とそれを聞くということは何か具体的にお困りなんですね?
由実子
私もこんなお仕事をしているので普段から勉強しているんですけど…どうも好きなものばっかりやってしまって、これでいいのかなあ…と思ったり、逆に苦手科目に時間をかけすぎて、効率が悪いなあ…って感じてたり…納得感のあるバランス良い勉強の仕方ってどうやるんだろうって…
野村
なるほどね。OKです。では今日は好きな科目、苦手な科目のバランスのお話をしましょう。
どんな人でも得意科目不得意科目、もっと言えば好きな科目苦手な科目があると思います。例えば文系科目、理系科目とかっていうのも大まかにはありますよね。
由実子
私はド文系です!
野村
テンション高…笑。まず、いつも言ってることなんですけど、何を目的に勉強するのかっていうことが大前提でバランスは当然変わります。これってすごく大事で、例えば入試対策なのか、内申点獲得が欲しいのか、はたまた検定なのかっていうところ。さらに言えば、試験と試験の間で明確な目標が無いタイミングに普段の学力をバランスよく高めていきたい…とかってこともありますよね。
由実子
いつもの塾長の目的ファーストですね。
野村
そうです。目的が変わればやり方が変わるのは当たり前って感覚を刷り込んでもらいたいですね!
由実子
私にはそろそろ刷り込まれてきました笑
野村
ではまずはどんな目的から見ていきましょうか?
由実子
全体をバランスよく上げていきたいパターンでお願いします!
野村
OKです。受験とかを意識されないタイミングでお勉強を考える方はバランス重視も大事ですからね。
由実子
受験期と受験期以外では親としても本人としても求めるものが違うっていうのはイメージできます。
野村
じゃあせっかくなので具体的な例を出してお話をしてみましょうか。由実子さんの好きな科目と嫌いな科目は?
由実子
私は英語が好きで、数学が嫌いです。
野村
いいですね。そういう子多いので良い例です。ではその場合ってことで話てみましょう。突然ですがじゃあ英語と数学のバランスを取っていきたいというお話だとして…まずバランス良くっていうのは何のバランスが良いことを求めてます?
由実子
何のバランス?
野村
勉強時間を同じ時間にしたいのか、それとも…
由実子
えっと…点数ですかね。苦手なところを無くして、得意なところは伸ばしてってしたいので…
野村
OKです。そうですよね。時間を揃えてバランス良くしたいなんてことは目的ファーストじゃないですよね。手段が目的になっちゃってる。…普通にいるんですよ、手帳に勉強時間書いて全部の科目が同じ配分になっている子…ボソ
由実子
私も学生時代そうでした…
野村
本当にたくさんいますよ。まずはそこから変えていくことが良いでしょうね。さて、では目的は苦手を無くしてバランスよく、得意なところはさらにできたらいいなあというところで設定した場合に、一番時間をかけなければいけないのは由実子さんならどの科目になりますか?
由実子
それは数学…
野村
でしょうね。ってことは、今回聞きたいのはどれくらい他科目とバランスを取って勉強時間を確保すればいいのかってことになりますね。
由実子
そうなんですよ。どうしても苦手意識が先行してしまって、やりすぎている気もするんですよね。しかもやりすぎている気がするのに解けた問題量も少なかったりしてショックを受けたり…
野村
わかりますわかります。だからこそベストバランスって何なの?って話ですよね。信じて突き進むための方針というかね。
由実子
それです!
野村
OK!では今日の本題はそこですね。
苦手科目の勉強時間の設定方法
野村
まず大前提として、苦手科目にダラダラ時間はかけたくないですよね。効率的に進めたい。効率的に苦手を克服したい。
由実子
もちろんです。
野村
前回の内容(「勉強の3つの段階」)にもかぶるんですけど、ひっかかってる段階によっては時間をかけたところで効果がないっていう場合があります。
由実子
「わかるの段階」は人に助けてもらった方が効率的!
野村
そうです。効率的に家でのお勉強をするのであれば…
由実子
「解けるの段階」から!
野村
素晴らしい。得意科目の英語は「解ける段階」だし楽しいし…きっと時間は長く取ろうが短く取ろうが平気で、ある程度できちゃう。だけど、数学がもし「わかるの段階」であれば、5分やっただけで、もう1時間やってるような気持がしますよね。
由実子
そうなんですよ。うんうん唸ってるだけな気がしたり…
野村
そもそも「苦手」とか「嫌い」ってどこからそうなったのかっていうと、「わからない」から来てるわけです。人間はできることが好き、できないことが嫌い、つまずいたものが嫌い。だから苦手、やりたくない。そして点数にもならないからどうせ…という悪循環。勉強において下手の横好きはほとんど存在しません。
由実子
た…たしかに…
野村
ということなので、どこからやらなきゃいけないかっていうと、「わかる」っていうところからやらなきゃいけないんですね。で、「わかる」っていうところを、じゃあ1人でやれるのかって言われると…なかなか難しい。「解ける段階」まで行っていれば時間をたくさんとっても効果的なんですけど、そもそもわからないものを延々と家で頑張るっていうのは、非常に効率が悪いわけですよ。
由実子
うう…そうですね…勉強できる時間も限りがありますし…
野村
それだったら、誰かにわかるようにしてもらう、教えてもらう。とか、わかるようになる動画を見るとかっていう時間に割いた方が効率的になります。とにかく苦手でわからないから、いっぱい問題を解こうっていう考え方はいけません。わからないのに問題は解けません。時間の無駄です。
由実子
グサッ
野村
何か音がしましたが気にせずいきますね。
由実子
で…でも、わからなかった問題も解説を読んでわかる時もあるので、問題を解くことは反復練習をしていくうちに理解につながることもあるはずです!
野村
ありますよ。でも思い出してみてください。今お話ししているのは効率の良いお勉強のお話ですよね。それって全部の問題でそうなりますか?それって効率良いですか?
由実子
グサグサッ
野村
わからなかった問題を自力で克服するのって気持ちが良いですよね。苦労が報われた気がする。だけど、それに費やした時間を確認してもらいたいんですよね。そして毎回そうなるのかどうなのかも。今日のお題はバランス。そして苦手科目に費やす時間、つまり効率的に苦手科目に割きすぎる時間を減らしたいということですよね。さらに目的はバランスの取れた時間配分ではなく、バランスの取れた点数なわけです。確認しましたよね?となると言い方悪いんですけど、苦手な子たちが一生懸命解答解説を読んでウンウン唸って1時間かけてようやく1問「できた!」っていうのは今日のお話とはちょっとずれるかなー
由実子
グサグサグサッ
野村
もちろん絶対に無駄ではないですよ。その経験。今日のお話とはズレますけど笑
由実子
…で…ですよね…💦💦
野村
お話を戻して、そこで、科目ごとによって手法を変えることを覚えてください。好きな科目っていうのは勝手にできるんで、解けますし、反復練習して楽しいしっていうことで、わからないことなんてほとんどなくて、見つけても楽しい!って感じになると思うんですよ。なのでまあ、それは勝手にやってください。笑
で、大事なところ。苦手な科目、普通の科目が今「わかる」なのか「解ける」なのかをしっかり判別してもらいたいんですよね。
教科書読んでもよくわからないし問題集を読んだところでどうするのこれ?みたいな状態になってるとしたら…
由実子
「わかるの段階」…そういう状態だともう解説を読んだところでも、頭の中は??ですよね…
野村
そう。そうなってくると、そこは逆に言うと、通常の家庭学習では効率化が難しいと割り切ってもらいたいんですよね。手法を変える必要があるってことを理解することが第一歩。結果としては全部解けるんだけど、苦手な科目だから解くのに時間が長くかかる。これは全然時間かけてOK。
由実子
「解けるの段階」だからですね。
野村
そう。時間かけていくことで短くなっていくものだから、反復こそが効率の良い勉強方法になるよね。
由実子
もう、わからないものは「わからない!」って割り切って勉強方法は変えます!
野村
そういうことです。塾でもいいしYOUTUBEでもいいし。なんでもいいのでわかるための方法を取ってみてください。
「わからない」を正しく把握することが鍵
由実子
最後にもう一回確認してもいいですか?
野村
どうぞどうぞ。
由実子
具体的なお話で、勉強をしていく中で、「わからない」を「わかる!」にするために、わからない問題も頑張って解こうとしがちだと思うんですけど、そこに時間をかけるよりは、わかる所をしっかり演習して応用問題までも解けるようにっていう形で進めていった方が効率的ですか?
野村
んーその例でいくと、「わからない」をしっかり判断してもらいたいってイメージですね。解答解説を一度読んで「あ!そういうことだったか、わかったわかった」っていう「わかる」と、解答解説を何十回も見返して教科書と何回も往復して何なら答え写す勢いでたどり着いた「わかった!」は同じではないって感じ。
由実子
なるほど…いままで「初見で解けない」=「わからない」だと思ってたんですけど、それがそもそも違ったんですね。
野村
そう。解けない問題っていう表現が曖昧な表現なんだよね。「わかる」と「解ける」の段階と状態を確認しましょうってことだね。
由実子
なるほど。わかりました!「わかる段階」にもわかり始めっていう状態もあれば、わかった!という状態があって、次の「解ける段階」に入っても、解答解説を見れば解けるっていう状態からスラスラ解けるって状態まで幅があるんですね。
野村
おー私より説明上手。そういうことです。
だからまず、「わかる」を突破しましょう。そしてここが一番ネックなんです。自分の力でわかるんだったら苦労してないですよね。読んでわかるなら、もう読んでわかってるんですよ。読んでもわからない。なんなら、学校で授業受けてもわからないなら、さらに参考書や問題集を読んでも、解説を読んでもわからない。教科書ガイドとか買う方もいらっしゃると思いますけど、それを読んでもわからない。で、多くの人が一読してわからないなら読み込めばいいんだって言うわけです。そりゃあそうなのかもしんないですけど、効率って面ではすごい悪いですよね。
由実子
読み込んだところで理解につながれば良いですが、そこも不安ですね…
野村
そういう不安もありますよね。そこまで苦手な状況なのに心が折れずにちゃんと「わかる」まで自力で到達できたのか。
由実子
なるほど。
野村
じゃあ由実子さん。この「わかる」に1ページ3時間かけました。自分でできるようになりました。 それよりも誰かに聞いて30分でできるようになりました。どっちが良いです?
由実子
それは30分の方が絶対いいです。
野村
ですよね。それなら2時間半、習ったことを使って問題演習した方が「解けるの段階」を進められてよっぽど良い。
もちろんね、力押しでゴリゴリやっていくっていうのは効率とは関係なく「経験」としては、あってもいいのかなとは思います。なので、ご家庭の方針次第でうまくそういった経験獲得も使ってもらってもいいかなとは思います。
由実子
なるほど。効率の話じゃなくて経験の話と考えたら何だかスッキリしました!
野村
まとめると自分が今どこにいるのか、お子さんが今どの段階にいるのかっていうのはしっかり考えてあげましょう。バランスを取りたければ「3つの段階」に合わせて科目や単元の状態を把握して、効率的な勉強方法を選んでみてください!
由実子
はい!勉強を進めていく目標に向けて、現状の学力を参考にしながらどう導いてあげられるかの判断も大事になりそうですね…。なるほどなるほど…そう考えるとどんな勉強方法が有効なのかも整理できそうです…。ありがとうございます!
野村
さて、今日は全教科点数をバランスよく取っていくための目的でしたけど、これだけでよかったんですっけ?
由実子
受験期のも…聞きたいです…
野村
うん。長くなるから次回またでお願いします!!!!