【大学のお金】給付と貸与の違いは?出願前に決まる奨学金の実態
2026/10/13
高校生活も後半になり、いよいよお子様の志望校が具体的に見えてくる時期。毎日の栄養を考えたお弁当作りや、夜遅くまで机に向かうお子様の体調管理など、慌ただしい日々の中で進路をサポートされているお母様、本当にお疲れ様です。
志望校の話になると、どうしてもご家庭で避けて通れないのが「大学の学費」についてのお悩みですよね。
「できれば学費の安い国公立に行ってほしいけれど、もし私立に行くことになったら家計が厳しいかもしれない…」と、大学のパンフレットやWebサイトの学費ページを見つめて、ため息をついてしまうこともあるのではないでしょうか。
「もし私立に受かったら、入学してから奨学金を探してみよう」 お母様がそのようにお考えになるのは、ごく自然なことです。
しかし、「奨学金=卒業後に子どもが借金を背負うもの」というイメージがあり、二の足を踏んでしまう方も少なくありません。
教育業界の最前線にいる私たちから、お母様方にぜひ知っておいていただきたい「大学のお金の常識」があります。 実は、大学が独自に用意している奨学金の中には、「卒業後の返済が一切不要」であり、しかも「お子様が大学に合格するずっと前、高校3年生の夏〜秋にかけて申し込みが締め切られてしまう」特別な制度が存在するのです。
今回は、パンフレットの隅に小さく書かれていることが多い「予約型奨学金」の仕組みと、返済不要の割合、そして国公立・私立の具体的な導入大学例についてお伝えします。
この事実を早めに知っておくことで、「もっと早く知っていればお金の心配をせずに私立も受けられたのに…」という後悔を防ぎ、ご家庭で安心してお子様の進路の選択肢を広げるための大きなヒントにしていただければ幸いです。
目次
絶対に知っておきたい
「給付型」と「貸与型」の決定的な違い
奨学金のお話をする前に、まず最も重要な「2つの種類」について確認しておきましょう。
奨学金には、大きく分けて「貸与型(たいよがた)」と「給付型(きゅうふがた)」の2つがあります。
貸与型(返済が必要):
日本学生支援機構(JASSO)などが提供する、最も一般的な奨学金です。大学卒業後に、お子様自身が毎月少しずつ返済していく必要があります。「無利子」のものと「有利子」のものがありますが、いずれにしても「将来の借金」になるため、利用には慎重な計画が求められます。
給付型(返済が不要):
国や自治体、そして各大学が独自に設けている奨学金で、卒業後の返済が「一切不要(もらえるお金)」となる制度です。授業料が半額・全額免除になったり、毎年数十万円の支援金が支給されたりするため、ご家庭の負担を劇的に減らすことができます。
「もらえる給付型がいいけれど、条件が厳しくてうちの子には無理じゃないかしら」とご不安に思われるかもしれませんが、ここでカギとなるのが、近年急増している「大学独自の予約型奨学金」なのです。
合格前に決まる!
「予約型奨学金」のスケジュールの罠
予約型奨学金とは、その名の通り「大学を受験する前(高校在学中)に申請し、もし合格して入学したら、奨学金を給付しますよ」とあらかじめ約束(予約)してもらえる制度です。
しかし、ここに大きな罠が潜んでいます。
予約型奨学金の申請期間は、早い大学で「高校3年生の8月〜9月」、遅くとも「10月〜11月」に締め切られてしまうことがほとんどなのです。
つまり、1月〜2月の一般入試で合格を勝ち取り、「さあ、学費の足しになる大学独自の奨学金を探そう!」とホームページを開いた頃には、受付はすでに終了してしまっている、という悲劇が毎年多くのご家庭で起きています。
90%以上が返済不要!
「予約型奨学金」導入大学例
「でも、予約型奨学金って、結局あとで返さなきゃいけない貸与型なんじゃないの?」
お母様がそう心配されるのも無理はありません。
しかし、公的なデータを紐解くと、驚くべき事実が見えてきます。
日本学生支援機構(JASSO)が発表している「大学等における学生に対する経済的支援制度に関する調査」などのデータ傾向を見ると、大学が独自に設けている予約型奨学金のうち、なんと「90%以上(実質的にほぼすべて)」が、返済不要の【給付型】または【授業料減免型】となっています。
さらに、日本学生支援機構(JASSO)の調査データによると、独自の奨学金制度を設けている大学は、国立大学で約半数(86校中45校)、公立大学で約4分の1(100校中26校)に上ります。
では、実際にどのような大学が導入しているのでしょうか。
(※以下の大学名および制度は、すべて2026年度現在の情報に基づきます)
【国公立大学の例】
学費が比較的安い国公立であっても、多くの大学が受験前に約束される独自のサポートを用意しています。
お茶の水女子大学: 「みがかずば奨学金」
東京科学大学: 「大隅良典記念奨学金」
新潟大学: 「輝け未来!! 新潟大学入学応援奨学金制度」
【私立大学の例】
首都圏のMARCHや関西の関関同立といった人気の有名私立大学も、競うように手厚い制度を導入しています。
慶應義塾大学: 「学問のすゝめ奨学金」
早稲田大学: 「めざせ!都の西北奨学金」
明治大学: 「おゝ明治奨学金」
関西大学: 「『学の実化』入学前予約採用型給付奨学金」
なぜ、大学側はわざわざ受験前に「もらえるお金」の約束をしてくれるのでしょうか。
それは、「地方に住んでいて学力はあるけれど、経済的な理由で都会や県外への進学を迷っている優秀な学生」を、他の大学に取られる前にいち早く確保したいという大学側の強い狙いがあるからです。
そのため、予約型奨学金の中には「地方出身者であること」を条件としたものもあります。
広島県から県外の国公立・私立大学を目指すお子様にとっては、まさにこの「地方出身者向けの枠」と「返済不要の予約型」が、強力な追い風となるのです。
終わりに
お母様が知っておきたい「予約型奨学金」の常識についてお伝えしました。
1)奨学金には、卒業後に借金となる「貸与型」と、返済不要でもらえる「給付型」がある。
2)大学独自の「予約型奨学金」の90%以上が、返済不要の給付型(または減免型)である。
3)独自の奨学金制度は、国立大学で約半数、公立大学で約4分の1が導入しており、私立でも早慶・関関同立など多数ある(2026年度現在)。
4)申請の締め切りは「高3の秋(10月〜11月頃)」が多く、合格後では手遅れになる。
大学受験はお子様の将来を左右する大切な節目ですが、同時にご家庭にとって「お金」という現実的な壁が立ちはだかるタイミングでもあります。
お母様がご不安になられるのは当然のことです。
しかし、現代の入試システムは多様化しており、頑張るお子様を経済面から応援する仕組みがしっかりと整っています。
どうか「お金」を理由に最初から選択肢を狭めすぎず、「こんな方法もあるみたいだよ」と、ご家庭で前向きな進路の話し合いを楽しんでみてください。
お母様のその温かいサポート姿勢が、お子様の未来の可能性を無限に広げていきます。
予約型奨学金を勝ち取るためには、高校の成績(評定平均)の基準をクリアしていることや、志望理由書の提出が求められるケースが多くあります。
「うちの子の今の成績で申請できる奨学金はあるの?」
「一般入試の勉強と並行して、どうやって成績をキープすればいい?」
といった具体的な学習戦略のお悩みは、ぜひ教育のプロにご相談ください。
私たちの1対1、または1対2のオンライン個別指導では、画面越しであっても、お子様の声のトーンやふとした瞬間の不安そうな表情の変化まで、きめ細かく把握することが可能です。
通学や送迎の時間を省き、リラックスしたご自宅の環境で、お子様一人ひとりの強みを活かした無駄のない学習計画と、ご家庭の状況に合わせた的確な受験スケジュールをサポートいたします。
私たち講師がしっかりと伴走し、お子様が自らの力で問題を解き明かす喜びを知るお手伝いをいたします。
お子様が自信を持って、明るい表情で前向きに壁を乗り越えていける日々を、一緒に作っていきましょう。
受験戦略や現在の学習状況についてのご相談は、いつでも無料で承っております。どうぞお気軽にお声がけください。

