デジタル入試(CBT)はなぜ増える?国の明確な方針とご家庭での準備
2026/09/22
学校でのタブレット学習が当たり前になり、高校や大学の入試でも「CBT(コンピュータを使った試験)」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
「私たちが経験してきた紙の受験とは全く違う」「この先、高校や中学の入試もすべてパソコンになってしまうの?」と、お子様の将来の受験に対して戸惑いや不安を感じていらっしゃるお母様も多いことと思います。
これまでの常識が大きく変わる時期だからこそ、先行きの見えない変化に不安を抱かれるのは、お子様の進路を真剣に考えていらっしゃる証拠です。
結論からお伝えしますと、CBT(デジタル入試)は今後、さらに拡大していくことが「国の明確な公的方針」として定まっています。
この記事では、「公的方針とは具体的に何を指しているのか」という客観的な事実をもとにCBTが確実に広がる根拠を解き明かし、広島県での現状やご家庭で無理なく進められる準備について解説します。 この記事をお読みいただくことで、漠然としたデジタル化への不安が解消され、これからの受験に向けてお子様をどのように見守ればよいのか、見通しを持っていただけるはずです。
目次
「CBT(デジタル入試)」は今後どうなる?
国が定めた3つの公的方針
「一時的な流行なのでは?」「一部の学校だけの話では?」と思われるかもしれませんが、教育現場におけるCBTの拡大は、国を挙げた不可逆的な教育改革の流れの中にあります。
その根拠となるのが、以下の3つの具体的な「公的方針」です。
① 政府の基本方針「第4期教育振興基本計画」と公的システム「MEXCBT」
最も根幹にある公的方針が、令和5年(2023年)に政府が閣議決定した「第4期教育振興基本計画」です。この計画の中で、これからの教育政策の柱の一つとして「教育DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進」が明確に掲げられました。
これを実現するため、文部科学省は公的なCBTシステムである「MEXCBT(メクビット)」を開発・提供しています。現在、全国の小中学校の多くがこのシステムに登録し、日常の小テストや課題の配信をデジタルで行っています。「画面上で問題を解く」ことは、国の方針によってすでに子どもたちの日常へと組み込まれているのです。
② 文科省が示す「全国学力テスト」のCBT化ロードマップ
文部科学省は、毎年小・中学生を対象に実施している「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」を、将来的にすべてCBTへ移行する方針(ロードマップ)を示しています。
すでに中学校の英語スピーキングテスト等で先行導入されており、2025年度には中学校の理科で、2026年度には中学校の英語でCBT方式による調査が予定されています。国が実施する最大規模の学力調査がCBT化されるということは、公立校に通うすべてのお子様にとって、入試を含む大きな試験を「パソコンやタブレットで受ける」ことが標準化していくことを意味しています。
③ 都道府県への「入学者選抜のデジタル化」推進通知
さらに文部科学省は、各都道府県の教育委員会に対して「公立高等学校入学者選抜におけるデジタル化の推進」を求める通知を出しています。これは、出願手続きのオンライン化にとどまらず、採点業務のデジタル化や、将来的には試験そのもののCBT化も視野に入れた方針です。
実際、この方針に沿う形で東京都立高校入試では、タブレットとイヤホンマイクを用いた英語スピーキングテスト(ESAT-J)が合否判定に活用されるなど、公立高校入試へのCBT導入はすでに現実のものとなっています。
他県と広島県のリアルな現状
「国の方針は分かったけれど、広島の入試はどうなの?」と気になるところですよね。
現在、広島県の公立高校の一般入試や私立中学の筆記試験が明日すぐに全科目CBTになる、というわけではありません。
しかし、足元では国の方針に連動した着実な変化が起きています。
Web出願の標準化:
広島県立広島中学校・三次中学校・広島叡智学園中学校などの県立一貫校をはじめ、県内の公立・私立高校でも出願手続きのオンライン化が定着しています。
英語「話すこと」調査の実績:
広島県でも過去に中学生を対象としたCBT方式の英語スピーキング調査が実施されており、デジタル機器を用いた学力把握の土台は整っています。
「英検S-CBT」の重要性拡大:
AICJ高校など県内の私立高校入試では、英検の取得級に応じた優遇措置(加点や英語科目の満点換算など)が用意されています。ここで受験機会を増やし合格率を高める手段として、PC上で4技能を受験する「英検S-CBT」の活用がご家庭の間で大きな鍵を握るようになっています。
お母様が今日からご家庭でできる
3つの安心サポート
国の明確な方針を聞くと、「早くタイピング教室に通わせなければ」「プログラミングをやらせるべき?」と焦ってしまうお母様もいらっしゃいます。
ですが、決して特別な習い事を始める必要はありません。
必要なのは、デジタル特有の形式に「少しずつ慣れておくこと」だけです。
1. 画面の文章をスクロールして読む練習
紙のテキストは視界全体で文章を追えますが、画面ではスクロールしながら全体の構成を把握する力が必要です。ご家庭でタブレット学習教材などを利用する際、「画面の文字を追って要点をつかむ」練習を日常的に重ねておくだけで、本番の戸惑いは大幅に減ります。
2. 週に1回のキーボード練習(ゲーム感覚でOK)
英検S-CBTのライティングなどではキーボード入力が選択できます。タイピングができると、思考をアウトプットするスピードが格段に上がり、見直しの時間を多く確保できます。無料のタイピングゲームなどを通じて、お子様が楽しんで指を動かす機会を作ってあげてください。
3. マイクに向かって英語を発声する体験
「画面に向かって一人で英語を吹き込む」という行為は、多くのお子様にとって初めての経験です。スマートフォンやタブレットの音声入力機能を使って、「はっきりとマイクに声を届ける」感覚をご家庭で一度試しておくだけでも、本番の緊張感を大きく和らげることができます。
終わりに
教育を取り巻く環境が目まぐるしく変化し、国の方針としてデジタル化が進む中で、「自分の時代にはなかった仕組み」に対応していかなければならないお母様のご負担やご不安は、大変なものとお察しいたします。
しかし、テストの形式が紙からコンピュータへと変わっても、試験で本当に問われているのは「文章を丁寧に読み解く力」や「筋道を立てて考える力」という、昔から変わらない本質的な学力です。
デジタル端末は、その力を測るための道具に過ぎません。
お子様が新しい形式に出会って少し不安そうにしていたら、「大丈夫、少しずつ触っていけば自然に慣れるよ」と、お母様が落ち着いた姿勢で温かく声をかけてあげてください。
お母様のそのどっしりとした安心感こそが、お子様が新しい時代を軽やかに歩んでいくための何よりのエネルギーになります。
「これから広がるCBTにどう備えればいいか分からない」
「英検S-CBTのスピーキングや英作文を一人で対策するのは難しそう」
とお悩みでしたら、ぜひ私たちのオンライン指導を頼ってください。
私たちの1対1、または1対2のオンライン個別指導では、画面越しであってもお子様の表情や声のトーンを細やかに汲み取り、つまずいているポイントを見逃しません。
デジタル画面を使った対話型の学習そのものが、自然とCBT環境への適応力を養うトレーニングにもつながります。
私たち講師がしっかりと伴走し、お子様が自らの力で問題を解き明かす喜びを知るお手伝いをいたします。
お子様の学習環境や進路に関するご不安について、まずは無料相談でどのようなことでもお気軽にお聞かせください。

